そもそもお金って何?
今日はこんな疑問に答えていきます。
- お金の定義
- お金の歴史
- お金の機能
そもそもお金とは何なのでしょうか?
この記事では、お金の定義・機能・そして歴史について説明します。
お金について知ると、融資、銀行の仕組みが分かります。さらに、現代貨幣論のベースも知ることができます。
お金の定義
お金とは何なのでしょうか?定義をwikipediaで調べてみました。
- 商品交換の際の媒介物
- 価値尺度、流通手段、価値貯蔵の3機能を持つ
- 負債の一形式で、みんなによく知られているもの
定義は以上の3つです。
ただ、意味が難しいですね。これらはお金の歴史を知ると理解できるようになります。
お金の歴史
では、次にお金の歴史を見てみましょう。
物々交換の時代
お金がなかった時代、人は狩猟や採集で必要なモノを集めていました。
しかし、自分で入手できないモノは誰かに交換してもらう必要があります。
ある時、りんごと牛を交換してほしい人がいたとします。しかし、この交換は難しいでしょう。
牛と交換するにはりんごが大量に必要ですが、食べきる前に腐ってしまうからです。
りんごのように腐ってしまうものは「商品交換の際の媒介物として不適」と言えますね。
物品貨幣の誕生
実は同じ悩みを村中の人々が抱えていました。
そこで、この村ではそれぞれの商品を「貝殻」に交換できるよう合意しました。
貝殻は腐らず、保管もできます。そのため、りんごが採れない時期でも交換できるようになりました。
実は、この「貝殻」はお金の3つの機能(価値尺度、流通手段、価値貯蔵)を果たしています。
「合意」によって「価値」が認められているのは、現代のお金と共通しています。
金貨の誕生
ここで問題が生じます。貝殻は簡単に手に入るため、大量に出回ってしまったのです。
また、貝殻はあくまで村内での取り決めでよその村では使えません。
当時、金属は貴重品でした。さらに金属に対し特定の飾りをつけ、偽造を防ぐようにしました。これが「金属貨幣」です。
やがて、その金属はより貴重な金に代わりました。これが「金貨」です。
金貨は美しく、多くの人が欲しがりました。
金匠の誕生
金貨は自宅で保管されていましたが、強盗に入られる危険がありました。
そこで、金貨を預かる金匠が誕生します。
金匠は金貨を預かった証拠に金匠手形という借用証書を渡します。手形をまた金匠に渡せば金貨と引き換えてもらうことができます。
商人たちは常に金貨を保管するストレスが無くなりました。
融資の誕生
金匠はふと気づきます。
「金貨をみんなが一斉に引き換えに来ることはないのでは…?」
ここから、金匠は利息を付けて金貨を貸し出すようになります。
貸した金貨はまた別の商人に渡り、結局また金匠に返ってくる仕組みになっていました。
つまり、金匠は手持ちより多くの金貨をどんどん貸し出すことができました。
また、商人たちは手持ちが無くても商売できるようになり、商売のスピードが早まりました。
金匠手形の流通
商人は気づきました。
「金匠手形を金貨の代わりに使えるのでは…?」
手形で金貨が引き出せるため、手形と金貨は同じ価値とされました。そのため、手形がお金として流通するようになりました。
商人たちは重い金貨を持ち運ぶ必要がなくなり、商売が楽になりました。
手形は現代で言うところの「紙幣」です。日本銀行券は、日本銀行の借用書です。
つまり、1万円札は日本銀行が1万円の価値を借りたことを証明する手形ということです。
銀行の誕生
金匠が金貨を渡そうとすると、商人にこう言われます。
「重い金貨はいらないから、手形だけくれよ」
これにより、金匠は金貨を実際に持っている必要がなくなりました。
金匠は持っている金貨よりも多くのお金を貸せるようになりました。つまり、お金を生み出せるようになったのです。
これは現在の銀行と同じです。
銀行からお金を借りても何ももらえませんが、預金残高が増えますね。
これと同じことがこの頃から始まりました。
お金の歴史まとめ
さて、実はもう少し続きがあるのですが、お金とは何か?を知るには十分な歴史を振り返りました。
ここまでを一旦まとめます。
- 物々交換での制約を取り除くためお金が必要になって
- お金の起源は「合意」であり、形はさまざまであった
- 金貨の流通と金匠の誕生により、手形がお金として流通した
- 金匠は手持ちの金貨の量に関係なく手形が発行できた
お金の機能
お金の歴史が分かったところで、改めてお金の定義を確認しましょう。
- 商品交換の際の媒介物
- 価値尺度、流通手段、価値貯蔵の3機能を持つ
- 負債の一形式で、みんなによく知られている
お金の形はさまざまでしたが、どれも商品交換の媒介として使われました。
金貨などによって商品の価値を共通の尺度で表すことができるようになりました(価値尺度の機能)。
また、金貨はみんなが欲しがったため、一般的に流通しました(流通手段の機能)。
そして、金貨は腐敗しないため、貯蔵することができました(価値貯蔵の機能)。
そして、「金匠手形」は、商人がお金を預けた証拠。さらには、商人へ金貨を返すための「借用書」でした。
借用書は負債が発生したときに発行する証明書なので、お金は負債の一形式なんですね。
お金の機能は物品貨幣のころから十分備わっていました。「合意」によりお金になるのです。
補足になりますが、ビットコインなどの暗号通貨もお金であることはもう間違いないですね。
この場合の合意は暗号システムになりますが、実際に価値が認められて広まっています。この点で、もう「お金」と呼んで間違いないでしょう。
まとめ
本ページの内容は以上です。お金の定義、歴史、機能について確認しました。
暗号通貨をはじめ、これからまた新しい形態のお金が出てくるかもしれません。
しかし、ここで説明した定義や機能を持っていればそれもお金になりうることが分かっていれば、その新しい何かの有用性に気づけるかもしれませんね。